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地盤カルテのスコアが良くても…こんなリスクの高い場所には注意

地盤カルテのスコアが良くても…こんなリスクの高い場所には注意

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はじめに。地盤カルテの「地盤安心スコア」とは

はじめに。地盤カルテの「地盤安心スコア」とは

2021年6月に大阪市西成区で起こった崖上・崖下の住宅災害や
同年7月に熱海市の傾斜地で起こった土石流の事故、
地盤に関する住宅災害がきっかけで
「地盤カルテ」をお使いになった方も多いかと思います。
このたびの事故により被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に
心よりお見舞い申し上げます。

「地盤カルテ」でお住まいの場所を調べた方に、
カルテのスコアだけではない活用の方法を紹介します。

「地盤安心スコア」は、以下の5項目を各20点ずつの合計で
総合評価として算出したものです。

A 周辺の地盤改良工事率
B 浸水リスク
C 地震による揺れやすさ
D 土砂災害リスク
E 液状化リスク

この地盤安心スコアは、
地盤の安全面から不動産の将来のリスクを
簡単に数値化して知ってもらうことを目的として設計されています。

100点満点の評価をするにあたり
各項目のリスク度合い、特に「生命」にかかわる危険度は
点数だけではみえにくいときもあります。
今回は、注意したい2つの項目、
浸水リスク、土砂災害リスクについて説明します。

生命にかかわる危険度の高い項目<浸水リスク>

この項目は、地形を元にしたオープンデータをスコアリングしたものです。
土地条件図または自然環境条件図にて、
国土地理院が自治体のハザードマップを作るために作成した
リスク区分を参考として、
地形区分からリスク区分、各スコアを算出し、
5段階で評価しています。
出展:国土地理院技術資料「土地条件図の数値データを使用した簡便な災害危険性評価手法」http://www1.gsi.go.jp/geowww/landcondition/manual.pdf

浸水リスク、水害リスクは
2020年から、不動産取引の際に重要事項として
自治体のハザードマップを用いて説明することが義務化されました。
近年の豪雨被害、大規模水災害の頻発により、法律が改正されています。

リスクの高いにお住まいの方は、この先の気候変動に備えて
家族、近隣の方々と連携し対策を講じておく必要があります。

「どこで」浸水が起きやすいかは水害ハザードマップで
「いつ」水害が起きるのか、警報に注意しましょう。
そのうえで、「どのように行動するか」、
平常時から話し合っておくことが重要です。

これから、お住まいの場所を選ぶ方は、
谷底、窪地(凹地)、低平地、などの集水地形を避ける、
自治体公表のハザードマップの浸水地域を避けて、
台地を選ぶ、周囲よりも高い土地を選ぶことで、
安全な住まいをみつけることができます。

生命にかかわる危険度の高い項目<土砂災害リスク>

この項目も、地形を元にしたオープンデータをスコアリングしたものです。

土砂災害危険箇所と対象地との距離から、
リスクを1、3、5の3段階で評価しています。

土砂災害は、不動産取引の場面では浸水リスク以前より
都道府県の指定した危険な場所は説明が必要とされています。
近年、発生件数もどんどん記録更新されている災害です。

一方で、
「あまり体験しない」「体験したくない」「連続性がない」ことから、
教訓を忘れやすい災害ともいわれています。

これから、お住まいの場所を選ぶ方は、
崖下・崖上ともに、崖地から十分に離れること、
傾斜地あるいは敷地境界に高さ50cm程度以上の擁壁(ようへき)や
のり面が接する敷地を避けることで
安全な住まいをみつけることができます。

災害のない『いい地盤』を見分けて、住宅に適した土地選びを

・知らずに住む
・知って対策を講じる
・移転をする
それぞれで、結果は大きく異なります。

まずは、地盤カルテを活用して
スコアや各項目をチェックし
災害のない『いい地盤』を見分ける指標にしてみてください。

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